「保険に入りすぎていないか心配だ」「家族構成が変わったから見直したい」「新しい保険商品が気になる」。保険の見直しは、ライフステージの変化に伴って繰り返し向き合う関心事だ。

生命保険、医療保険、がん保険、自動車保険、火災保険、地震保険、個人年金保険など、保険の種類は多く、各社の商品設計も細かい。何にいくらかけるべきか、何を優先すべきかの判断は、簡単ではない。

本記事では、保険を見直すにあたって整理しておきたい基本知識と、保険業界の主要プレイヤーや業界の動向をまとめる。なお、保険商品の選択は最終的に自己責任となるため、本記事は情報整理を目的とし、特定の保険会社や商品を推奨するものではない。

保険を見直す前に整理しておきたいこと

商品を比べる前に、自分の状況を整理しておくと、後の判断が楽になる。

ライフステージとリスクの整理

独身、結婚、子どもの誕生、住宅購入、定年など、ライフステージによって必要な保障は変わってくる。死亡時の家族の生活保障、医療費、収入減少リスクなど、何に備えたいかを言葉にしておきたい。

既存の保障の棚卸し

現在加入している保険の保障内容、保険料、保険期間、解約返戻金などを一覧にしておく。「保障内容が今のニーズに合っているか」を確認することが、見直しの起点になる。

公的保障の理解

健康保険、傷病手当金、遺族年金、高額療養費制度など、公的な保障制度でカバーされる範囲を把握しておく。民間の保険は、「公的保障でカバーしきれない部分を補う」位置づけで考えるのが基本的な発想だ。

家計と保険料のバランス

保険料が家計を圧迫していないかを確認する。一般に、保険料は手取り収入の数%程度に収めるのが目安と言われるが、家族構成、資産状況、リスクへの考え方によって、適正額は変わってくる。

情報源の整理

保険会社の窓口、保険代理店、ファイナンシャルプランナー、Webの比較サイトなど、相談先によって得られる情報は異なる。複数の情報源を見比べる姿勢が、後悔の少ない判断につながりやすい。

保険業界の主要プレイヤー

机に置かれた契約書類にペンで記入する手元。
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保険業界の構造を、見直しの視点で整理しておく。

生命保険会社(伝統的・大手)

長い歴史を持つ国内大手の生命保険会社。日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命、太陽生命、富国生命などが該当する。営業職員チャネルを中心に、対面で保障設計を相談するスタイルが特徴になる。

外資系、新興の生命保険会社

メットライフ生命、プルデンシャル生命、アクサ生命、アフラックなど、外資系の生命保険会社。商品設計やチャネル戦略に各社の色が出やすい。がん保険や医療保険といった領域で存在感を持つ会社もある。

ネット系生命保険会社

ライフネット生命、楽天生命、SBI生命など、インターネット販売を中心とする生命保険会社。シンプルな商品設計、わかりやすい保険料、ネットで完結する手続きが特徴だ。

損害保険会社

東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保など、自動車保険、火災保険、地震保険、賠償責任保険などを扱う事業者。法人向けの企業保険でも大きな役割を担う。

来店型保険ショップ、代理店

ほけんの窓口、保険見直し本舗、保険クリニックなど、複数社の保険商品を取り扱う代理店。一つの店舗で複数社の商品を見比べられる利便性がある。

ファイナンシャルプランナー(FP)

独立系FP、保険会社所属FPなど、保険を含めた家計全体を相談できる専門家。資産形成、教育資金、老後資金など、保険以外の論点もあわせて整理しやすい。

各プレイヤーには得意領域があり、相談スタイルや商品の幅も異なる。一つの情報源だけに頼らず、複数を見比べるのが現実的な進め方になる。

保険選びで知っておきたいこと

保険を選ぶ際に押さえておきたい項目を整理する。

必要保障額の試算

「いざという時に、いくらあれば足りるのか」を試算してみる。子どもの教育費、住宅ローン残債、配偶者の生活費などを積み上げ、公的保障や貯蓄でカバーできる分を差し引いた額が、民間保険で備える目安になる。

定期保険と終身保険

定期保険は一定期間の保障で、保険料は比較的抑えやすい。終身保険は一生涯の保障で、保険料は高めだが、商品によっては解約返戻金が積み立てられる。目的に応じて使い分ける構図だ。

医療保険・がん保険の保障内容

入院日額、手術給付金、通院給付金、先進医療特約、女性疾病特約など、保障内容は多様だ。自分にとって備えたいのは何か、を確認しながら見比べていく。

自動車保険と火災保険

自動車保険は、対人、対物、人身傷害、車両保険など、補償範囲を選んで組み立てていく。火災保険は建物、家財、地震保険(オプション)の組み合わせで設計する。賃貸の場合は家財中心、持ち家は建物中心という形で考えるのが一般的だ。

保険料控除と税制優遇

生命保険料控除、地震保険料控除など、所得税や住民税の控除制度がある。家計への実質的な負担額を考える際の判断材料の一つになる。

保険業界の今

スタンドに固定したスマートフォンに財務チャートを表示。
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保険業界は、ここ数年で大きな変化の中にある。

インシュアテックの広がり

インシュアテック(Insurance + Technology)と呼ばれる動きが広がっている。AI、ビッグデータ、IoTを活用したサービスが増え、自動車の走行データに基づくテレマティクス保険や、健康データに基づく健康増進型の保険など、リスク評価とサービス提供の形が変わってきた。

ネット、ダイレクト型の伸長

従来の対面販売中心から、ネット完結型のシンプルな保険商品が広がっている。保険料の見直しを契機に、対面からネットへ切り替える人も増えている。

健康増進・予防型保険

加入者の健康増進活動(運動、健康診断、禁煙など)に応じて保険料が変動する商品が登場している。「事故や病気が起きてから備える」から「未然に防ぐ」への発想の広がりが見えてきた。

環境とサステナビリティ

気候変動による自然災害の増加で、損害保険の役割と価格は動きやすくなっている。再生可能エネルギーやESG投資との連携など、社会課題への対応も業界の重要テーマになっている。

保険見直しの第一歩

保険の見直しは、「自分のライフステージとリスクを整理する」ところから始まる。必要保障額、既存契約、公的保障、家計のバランスを把握していけば、過剰な保障や、不足している保障が見えてきやすい。

業界比較図鑑では、他の業界 も中立的に整理している。

最後にもう一度触れておきたい。保険商品の選択は、最終的に自己責任となる領域だ。本記事は情報整理を目的としたものであり、特定の保険会社や商品を推奨するものではない。重要な判断は、信頼できる専門家にも相談しつつ進めてほしい。